IT転職で後悔しやすい3つのパターンと防ぎ方|厚労省の転職者調査と、内定時に確かめる労働条件

更新日:2026年10月16日

厚生労働省の「令和7年転職者実態調査」では、IT業界(情報通信業)に転職した人の55.4%は賃金が増えた一方、29.5%は減っていました。転職後の満足度は全体より高いものの、「機会があれば転職したい」人も20.6%います。

後悔しやすいのは、①年収だけで決める、②配属や仕事内容を確かめずに入社する、③転職理由があいまいなまま進める、の3つです。どれも、求人票・面接・内定時の書面で確かめることと、事前の自己分析で防ぎやすくなります。

調査で見る、IT業界に転職した人のその後

転職前と比べた賃金

賃金の変化 全体 今の勤め先が情報通信業
増えた 42.2% 55.4%
変わらない 20.9% 15.1%
減った 36.0% 29.5%

今の勤め先への満足度(満足度D.I.)

項目 全体 今の勤め先が情報通信業
職業生活全体 44.0 60.8
仕事内容・職種 57.8 72.0
労働時間・休日・休暇 47.9 81.9
人間関係 48.7 65.3
賃金 22.2 45.8
会社の将来性 35.2 43.4
通勤の便 58.0 43.2

※満足度D.I.は「満足」「やや満足」の割合から「不満」「やや不満」の割合を引いた値(ポイント)。

出典: 厚生労働省「令和7年転職者実態調査」(2026年9月25日公表)個人調査 第16表・第31表・第32表(e-Stat)。2024年10月〜2025年9月に採用されたフルタイムの転職者が対象。「情報通信業」は今の勤め先の産業で、エンジニア以外の職種も含みます。

IT業界に転職した人は、全体より満足度が高い項目が多い一方、賃金が減った人も約3割います。満足度が相対的に低いのは「通勤の便」「会社の将来性」「賃金」でした。

失敗パターン1:年収だけで決めてしまう

提示された年収だけで決めると、仕事内容や働く環境が合わなかったときに後悔しやすくなります。調査でも、IT業界に転職した人の約3割は賃金が下がっていて、年収以外の理由で転職先を選んだ人も多いことがうかがえます。

年収とあわせて、次の点も確かめましょう。

  • 担当する仕事の内容と、使う技術
  • 研修や、任される範囲(裁量)
  • 勤務地と通勤(客先で働く場合を含む)
  • 給与の内訳(固定残業代が含まれていないか)

給与の内訳の見方は「求人票の固定残業代は3点を確認」で解説しています。

失敗パターン2:配属や仕事内容を確かめずに入社する

「話が違う」と感じる原因になりやすいのが、配属先や仕事内容の確認不足です。

労働基準法第15条では、会社は労働契約を結ぶときに労働条件を明示しなければならないとしています。明示する事項には、就業の場所と従事すべき業務(2024年4月からは、その「変更の範囲」も含む)があります(労働基準法施行規則第5条第1項第1号の3)。内定のときに受け取る労働条件の書面で、勤務地・仕事内容・変更の範囲を確かめましょう。

出典: 労働基準法第15条、労働基準法施行規則第5条(e-Gov法令検索)

SES(客先常駐)の会社では、入社の時点で配属先が決まっていないこともあります。面接で聞きたいことは「「未経験可」のIT求人、応募前に確かめたいこと」で解説しています。

失敗パターン3:転職理由があいまいなまま進める

「なんとなく今の会社が嫌だから」という理由のままだと、転職先を選ぶ基準もあいまいになり、面接で志望動機を一貫して話すことも難しくなります。

厚生労働省の同じ調査では、IT業界から自己都合で転職した人の理由は「会社の将来に不安」35.0%、「賃金が低い」33.9%、「仕事内容に満足できない」31.9%が上位でした。自分の理由がどれに近いかを整理し、転職で何を実現したいのかまで言葉にしておきましょう。面接での伝え方は「IT転職の面接でよく聞かれる質問と答え方」で解説しています。

3つのパターンを防ぐ確認のタイミング

パターン 確かめること いつ・何で確かめるか
年収だけで決める 仕事内容・技術・勤務地・給与の内訳 求人票、面接
配属を確かめない 就業の場所・業務と、その変更の範囲 面接、内定時の労働条件の書面
転職理由があいまい 転職で実現したいこと、譲れない条件 応募前の自己分析

エージェント経由なら、担当者に確認してもらうこともできます。ただし、どこまで把握しているかは会社や担当者によって違うので、大事な点は面接や内定時の書面でも確かめましょう。紹介会社の許可や実績の調べ方は「複数エージェント併用のすすめ」で解説しています。

よくある質問

Q. 転職の軸は、どうやって決めればいいですか?

A. 「今の環境で何が不満か」「転職後にどうなっていたいか」「譲れない条件」を書き出すことから始めましょう。「動き出す前にやっておく3つの準備」でも、調査データとあわせて解説しています。

Q. 面接で配属先について質問しても、失礼になりませんか?

A. 失礼ではありません。就業の場所や業務は、内定時の労働条件の明示でも示すことになっている大事な条件です。聞き方に配慮して、具体的に確かめましょう。

Q. 転職して年収が下がることもありますか?

A. あります。厚生労働省の令和7年転職者実態調査では、IT業界(情報通信業)に転職した人の29.5%が、転職前より賃金が減ったと答えています。年収だけでなく、仕事内容や働き方も含めて判断しましょう。

まとめ

  • IT業界に転職した人の55.4%は賃金が増えた一方、29.5%は減っていた(厚労省 令和7年転職者実態調査)
  • 後悔しやすいのは「年収だけで決める」「配属・仕事内容を確かめない」「転職理由があいまい」の3つ
  • 就業の場所と業務(変更の範囲を含む)は、内定時の労働条件の書面で確かめる
  • 転職理由と、転職で実現したいことは、応募前に言葉にしておく

転職活動を始める前に、この3つのポイントを一度振り返ってみてください。


出典:

転職の軸は、どうやって決めればいいですか?

「今の環境で何が不満か」「転職後にどうなっていたいか」「譲れない条件」を書き出すことから始めましょう。「動き出す前にやっておく3つの準備」でも、調査データとあわせて解説しています。

面接で配属先について質問しても、失礼になりませんか?

失礼ではありません。就業の場所や業務は、内定時の労働条件の明示でも示すことになっている大事な条件です。聞き方に配慮して、具体的に確かめましょう。

転職して年収が下がることもありますか?

あります。厚生労働省の令和7年転職者実態調査では、IT業界(情報通信業)に転職した人の29.5%が、転職前より賃金が減ったと答えています。年収だけでなく、仕事内容や働き方も含めて判断しましょう。