更新日:2026年10月16日
厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」をもとに計算すると、ITエンジニアの平均年収は、システムの設計やコンサルティングを担う職種で889万円、プログラムを作る職種で578万円です。
どちらも40代後半(45〜49歳)がピークで、設計・コンサル職は1,226万円、プログラマー職は729万円になります。同じITエンジニアでも、職種によって年収カーブが大きく違います。
ITエンジニアの年代別平均年収一覧(令和7年)
| 年代 | システムコンサルタント・設計者 | ソフトウェア作成者 | その他の情報処理・通信技術者 |
|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 477万円 | 363万円 | 388万円 |
| 25〜29歳 | 642万円 | 485万円 | 453万円 |
| 30〜34歳 | 866万円 | 560万円 | 549万円 |
| 35〜39歳 | 968万円 | 636万円 | 604万円 |
| 40〜44歳 | 1,189万円 | 686万円 | 680万円 |
| 45〜49歳 | 1,226万円(ピーク) | 729万円(ピーク) | 702万円 |
| 50〜54歳 | 1,104万円 | 722万円 | 725万円 |
| 55〜59歳 | 1,164万円 | 720万円 | 778万円(ピーク) |
| 60〜64歳 | 618万円 | 654万円 | 530万円 |
| 全年代 | 889万円(平均38.3歳) | 578万円(平均37.1歳) | 610万円(平均42.2歳) |
出典: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者・職種 第5表「職種(小分類)、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」(企業規模10人以上、男女計)。2026年3月24日公表。
年収の計算方法: 「きまって支給する現金給与額(月額)×12か月+年間賞与その他特別給与額」で計算し、万円未満を四捨五入しています。月給には残業代などの手当が含まれます。対象は一般労働者で、パートなどの短時間労働者は含みません。65歳以上は人数が少ないため、表には載せていません。
職種の区分について: 厚生労働省の対応表では、令和元年までの区分の「システム・エンジニア」は「システムコンサルタント・設計者」に、「プログラマー」は「ソフトウェア作成者」に移っています(令和元年以前の職種区分別にみた令和2年以降の職種区分の対応表)。求人票の「SE」「エンジニア」という呼び方と、統計の区分は必ずしも一致しません。
表を読むときの3つのポイント
1. 設計・コンサル職とプログラマー職の差は、年齢とともに広がる
20代前半の差は114万円ですが、30代前半で307万円、40代後半では497万円に広がります。設計・コンサル職は30代前半で866万円と、プログラマー職のピーク(729万円)をすでに上回っています。
同じ「ITエンジニア」でも、どちらの職種でキャリアを積むかで、年収の伸び方がまったく違う、というのがこの表から分かる一番大きなポイントです。
2. 差の一部は「会社の規模」と「賞与」による
設計・コンサル職は、従業員1,000人以上の大企業で働く人が約56%で、プログラマー職(約39%)より多くなっています。年間の賞与なども、設計・コンサル職は平均239万円、プログラマー職は110万円と2倍以上の差があります。
つまり、職種の違いだけでなく、大企業に多い職種かどうかも年収の差に表れています。転職で年収を比べるときは、職種と会社の規模の両方を見ることが大切です。
3. 60代前半で大きく下がる
設計・コンサル職は、55〜59歳の1,164万円から60〜64歳で618万円へ、約550万円下がります。定年後の再雇用などで、月給・賞与ともに下がる人が多いためと考えられます。プログラマー職の下がり幅(約65万円)より大きくなっています。
自分の年収と比べるときの注意
- 同じ計算方法で比べる: 源泉徴収票の「支払金額」は、月給×12+賞与に近い数字です。手取り額ではなく、税・社会保険料を引く前の金額で比べてください。
- 平均値は高めに出やすい: 一部の高年収の人が平均を押し上げるため、「平均より少し低い」くらいが多数派であることは珍しくありません。
- 20代前半は賞与が少ない: 入社1年目は賞与の支給対象外のことが多く、20代前半の年収は低めに出ます。
年収を上げるために、このデータから言えること
- 上流の仕事(要件定義・設計・プロジェクト管理)の経験を積む: 設計・コンサル職とプログラマー職の差は、40代後半で約500万円です。プログラマーとして働いている人は、設計やプロジェクト管理に関わる機会を増やすことが年収アップにつながりやすいと考えられます
- ITコンサルタントへの転身を検討する: 上流職種の年収については「ITコンサル転職で年収が伸びる理由」で解説しています
- 年齢を理由に諦めない: 設計・コンサル職は40代でも年収が伸び続けています(「35歳限界説は本当か」も参考にしてください)
よくある質問
Q. このデータにフリーランスや派遣のエンジニアは含まれますか?
A. フリーランス(個人事業主)は含まれません。この調査は会社などに雇われている人が対象で、そのうちパートなどの短時間労働者を除いた「一般労働者」の集計です。
Q. 自分はどちらの職種に当たりますか?
A. 統計の区分と社内の呼び方は一致しないことがあります。目安として、旧区分の「システム・エンジニア」は設計・コンサル職、「プログラマー」はプログラマー職に移っています。主にどの工程の仕事をしているかで考えてみてください。
Q. 20代のうちに転職すべきですか?
A. 一概には言えませんが、設計・コンサル職とプログラマー職の差は30代前半から大きく開きます。上流の経験を積める職場かどうかは、20代のうちに確認しておく価値があります。自分の市場価値は「市場価値を可視化する方法」で確認できます。
Q. 毎年同じ数字ですか?
A. 調査は毎年行われ、数字は年によって変わります。本記事は令和7年調査(2026年3月公表)の数字です。新しい調査が公表されたら更新します。
まとめ
- ITエンジニアの平均年収は、設計・コンサル職が889万円、プログラマー職が578万円(令和7年)
- どちらも40代後半がピーク(設計・コンサル職1,226万円、プログラマー職729万円)
- 職種の差は年齢とともに広がり、40代後半で約500万円。会社の規模や賞与の違いも影響している
- 年収を上げるには、上流の仕事の経験を積むことが近道になりやすい
自分の年代・職種と照らし合わせて、今のキャリアが順調なペースにあるか確認してみてください。
出典:
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(e-Stat)
- 厚生労働省「令和元年以前の職種区分別にみた令和2年以降の職種区分の対応表」
このデータにフリーランスや派遣のエンジニアは含まれますか?
フリーランス(個人事業主)は含まれません。この調査は会社などに雇われている人が対象で、そのうちパートなどの短時間労働者を除いた「一般労働者」の集計です。
自分はどちらの職種に当たりますか?
統計の区分と社内の呼び方は一致しないことがあります。目安として、旧区分の「システム・エンジニア」は設計・コンサル職、「プログラマー」はプログラマー職に移っています。主にどの工程の仕事をしているかで考えてみてください。
20代のうちに転職すべきですか?
一概には言えませんが、設計・コンサル職とプログラマー職の差は30代前半から大きく開きます。上流の経験を積める職場かどうかは、20代のうちに確認しておく価値があります。自分の市場価値は「市場価値を可視化する方法」で確認できます。
毎年同じ数字ですか?
調査は毎年行われ、数字は年によって変わります。本記事は令和7年調査(2026年3月公表)の数字です。新しい調査が公表されたら更新します。