更新日:2026年10月16日
doda「IT職種の転職前後の平均年収レポート」によると、IT職種の経験者が転職したとき、年収の増加額が大きかったポジションは、1位セキュリティエンジニア(+67万円)、2位ITコンサルタント(+64万円)、3位データサイエンティスト(+50万円)でした。
ただし、同じレポートで「転職前のポジション」別に見ると、ITコンサルタントから転職した人の増加額は+15万円でした。「どの職種に移るか」と「どの職種から移るか」で、見え方が変わります。
転職後のポジション別 増加額TOP3
| 順位 | 転職後のポジション | 転職前 | 転職後 | 増加額 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | セキュリティエンジニア | 490万円 | 557万円 | +67万円 |
| 2位 | ITコンサルタント | 520万円 | 584万円 | +64万円 |
| 3位 | データサイエンティスト | 506万円 | 556万円 | +50万円 |
| (参考)9位 | 社内情報システム(社内SE) | 534万円 | 556万円 | +22万円 |
出典: doda「IT職種の転職前後の平均年収レポート」(パーソルキャリア、2024年2月8日発表)表①。2023年1〜6月にdodaのエージェントサービスを利用して転職した人(正社員)のうち、転職前もIT職種だった人の平均。転職後の年収は、採用が決まったときに企業が提示した年収(決定年収)。
数字の見方: dodaのエージェントサービスを使って転職した人の平均で、IT業界全体の平均ではありません。また、2023年前半の転職者のデータです。
「どの職種から移るか」で見ると、順位が変わる
同じレポートには、転職前のポジション別の表もあります。
| 順位 | 転職前のポジション | 転職前 | 転職後 | 増加額 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | セキュリティエンジニア | 508万円 | 571万円 | +64万円 |
| 2位 | データサイエンティスト | 561万円 | 625万円 | +63万円 |
| 3位 | インフラエンジニア | 440万円 | 484万円 | +44万円 |
| (参考)10位 | ITコンサルタント | 568万円 | 583万円 | +15万円 |
出典: 同レポート 表②
ここから分かるのは、次の2つです。
- セキュリティエンジニアとデータサイエンティストは、移る側でも、移る元でも増加額が大きい。経験者として転職しても年収が伸びやすい職種です
- ITコンサルタントは、「なる」ときの伸び(+64万円)は大きいが、ITコンサル「から」の転職の伸び(+15万円)は小さい。もともとの年収が高い(転職前568万円)ため、転職で上がる幅は小さくなりやすいと考えられます
今の職種がどちらに当たるかで、見るべき表が違います。
増加額が大きい = 年収が高い、ではない
増加額は「転職でどれだけ上がったか」で、年収の水準そのものではありません。
- 社内SE(社内情報システム)は、転職後の平均が556万円で、データサイエンティスト(556万円)と同じ水準ですが、増加額は+22万円でした
- レポートによると、転職後の平均決定年収が一番高かったポジションはITコンサルタント(584万円)です
年収を上げたいなら、「増加額」と「転職後の年収」の両方を見るのがおすすめです。
なぜこの3職種で年収が伸びやすいのか
レポートのdoda編集長の解説では、3職種とも「経験者が少なく、企業が採用のために決定年収を引き上げている」ことが背景に挙げられています。
- セキュリティエンジニア: DX・クラウド化が進んで、サイバー攻撃などのリスクを防げる経験者の採用ニーズが高まっている。一方で経験者は少ない
- ITコンサルタント: 業種を問わず、企業からコンサルティング会社へのDX推進の相談が増え、即戦力の採用に力を入れている
- データサイエンティスト: 蓄積したデータを活かしたい企業が増えている。比較的新しい職種で、経験者に需要が集中している
職種別・転職を目指す際のポイント
セキュリティエンジニアを目指す場合
インフラ・ネットワークの経験は、セキュリティの仕事にもつながりやすい分野です。資格では、情報セキュリティの国家資格として「情報処理安全確保支援士」(IPA)があります。
ITコンサルタントを目指す場合
技術力だけでなく、クライアントの経営課題を理解する視点が必要です。年収が伸びる理由と、ITコンサル「から」の転職の注意点は「ITコンサル転職で年収が伸びる理由」、必要なスキルは「未経験からITコンサルへ、必要なスキルは?」で解説しています。
データサイエンティストを目指す場合
統計学・プログラミング(Python/R)の基礎知識に加え、実務でのデータ分析経験が重視されます。社内でデータ分析の業務をした経験があれば、強みになります。
IT職種の何割が転職で年収アップしているか
- 上のレポート(2023年1〜6月): 転職後にIT職種に就いた人の約7割が年収アップ(転職者全体は約6割)
- 最新のdoda調査(2025年10月〜2026年3月): 転職前が技術職(SE・インフラエンジニア・Webエンジニア)の人の74.8%が年収アップ(転職者全体は64.1%)
出典: doda「年収アップ成功者の傾向」(パーソルキャリア、2026年8月24日発表)
どちらの調査でも、IT職種は全体より年収アップした人の割合が高くなっています。
よくある質問
Q. この3職種以外で年収が上がりやすい職種はありますか?
A. 同じレポートでは、4位以下にインフラエンジニア(+43万円)、業務系アプリケーションエンジニア・プログラマ(+42万円)が続きます。年代による違いは「ITエンジニアの年代別平均年収」で解説しています。
Q. 未経験からこれらの職種に転職するのは難しいですか?
A. このレポートは、転職前もIT職種だった人の数字です。IT未経験からの転職でも同じように上がるとは限りません。セキュリティエンジニアはインフラ系の経験があると移りやすく、データサイエンティストは統計・プログラミングの基礎が前提になりやすい職種です。
Q. 年収アップの実現には何が必要ですか?
A. 職種の専門性を示す資格・実務経験に加え、転職エージェントに条件交渉を代わってもらう方法もあります。「転職エージェントと転職サイトの違い」も参考にしてください。
まとめ
- IT職種の経験者が転職したとき、増加額が大きかったのはセキュリティエンジニア(+67万円)・ITコンサルタント(+64万円)・データサイエンティスト(+50万円)(doda、2023年1〜6月の転職者)
- 転職前の職種で見ると、ITコンサルタントからの転職は+15万円と小さい。自分が「どこから、どこへ」移るかで見る表が違う
- 増加額と年収の水準は別。転職後の年収が一番高かったのはITコンサルタント(584万円)
- IT職種は、転職で年収アップした人の割合が全体より高い(最新調査で74.8%)
自分の経験がどの職種に活かせるか、まずは市場価値を知ることから始めてみてください。
出典:
- doda「IT職種の転職前後の平均年収レポート」(パーソルキャリア、2024年2月8日)
- doda「年収アップ成功者の傾向」(パーソルキャリア、2026年8月24日発表)
- IPA「情報処理安全確保支援士」
この3職種以外で年収が上がりやすい職種はありますか?
同じレポートでは、4位以下にインフラエンジニア(+43万円)、業務系アプリケーションエンジニア・プログラマ(+42万円)が続きます。年代による違いは「ITエンジニアの年代別平均年収」で解説しています。
未経験からこれらの職種に転職するのは難しいですか?
このレポートは、転職前もIT職種だった人の数字です。IT未経験からの転職でも同じように上がるとは限りません。セキュリティエンジニアはインフラ系の経験があると移りやすく、データサイエンティストは統計・プログラミングの基礎が前提になりやすい職種です。
年収アップの実現には何が必要ですか?
職種の専門性を示す資格・実務経験に加え、転職エージェントに条件交渉を代わってもらう方法もあります。「転職エージェントと転職サイトの違い」も参考にしてください。